心理占星術とは:心理学✖︎占星術

【生きた道具(ツール)としての心理占星術】

ネイタル・チャート(個人の出生図)が示すのは目指す人生のゴール(理想のわたし)であり、「今」の実際のわたしと必ずしも一致しません。

ネイタル・チャートの設計図は、私達一人ひとりが様々な体験に向き合い奮闘しながら成長し、「全ての人生設計」を達成し終えたときにこそ当てはまるもの。

ゴールまでの旅のプロセスには、様々な事が起こります。傷ついたり自信をなくしたりして、に描いた「こうなりたい自分」を獲得できないまま人生を諦めそうになることもあります。


そのため、ネイタル・チャートをを「あなたはこういう人です」と、性格診断的に読むと、「今のわたし」には全く当てはまらなかったり、全ての設計図を一度に知ってしまうことで「今のわたし」が自信を失ってしまったり、

または、ゴールには向かうためには、ネイタルチャートにも指示がないこと ー 例えば一度反対側の星座の振る舞いを身につけないと、今ここを乗り越えられない ー とか、ー 自分の天体にはない正反対の星座の力を身につけないと、ゴールに行けない ー みたいな時もあります。

ネイタル・チャートは設計図なので、実際の生身の人間の間に、どうしても成長プロセスでズレが生じます。その時、ネイタル・チャートには描かれていない処方や薬が必要になる時があります。

例えば病気も、薬を処方する前に一度悪化させて膿み出しをしてから、塗り薬を塗ったほうがいい。などの場合があります。牡羊座を持つ人でも、「今は牡羊座はやったらだめです。この2年くらいは180度反対側にある天秤座を存分にやってバランスを取ってください。」ということもよくあります。


そのため、理想の人生(wellーbeing)に至るまでに変化し続ける、その人独自の「成長プロセス」を、正確に見立てることが、実は占星術において最も大切なポイントになってくるのですが、

Yasmine.Handworksのセッションでは、ネイタル・チャートでは読み解けない成長プロセスに必要なテーマを、 セッション当日の「コンサルテーション」チャートや時期チャートなど、複数のチャートを使ってお伝えしています。


「あなたはこういう人です」というゴールの提示と性格診断ではなく、ゴールを目指すために「たった今」必要な情報をお届けする、ということ。

ゴールや目標をお知らせするだけではなく、そこに行き着くまでのスモール・ステップ(傾向・対策)までがセットになったとき、初めて占星術は、現実を生きるわたし達にとって本当に使える、生きた道具(ツール)になります。

そしてそのために必要なのが、臨床心理の知識やメソッド。この臨床心理のメソッドを占星術に掛け合わせることが、「心理占星術」と言われる所以です。


心理占星術とは。


簡単に言えば、占星術の星座や天体、アスペクトなどの象徴の情報が、実際の現実社会の中で生身の人間の行動になった時、一体どのような振る舞いとして顕れるのかを、成長プロセスと共に予測して、現実を生きる一人の人間蔵の上に立体化して統合し、人格欲求とウェル・ビーイング(在りたい生き様)を読み解くこと。




それには、

① 象徴を固定された「性格」として読まず、成長し変化する「人格欲求」として捉え、成長プロセスの中で変化するものとして物語にするスキル、と、

② [愛着やトラウマ、自動思考や認知の歪み、心理的投影]などの人間心理の仕組みや構造を理解して、個別バラバラの象徴を統合し、一人の生身の人間として立体的に形作る作業 

が必要になってきます。


「平面から立体へ」「個別から統合へ」「抽象から具体へ」

この作業は、時にとても複雑で、

何層にも物語が潜んでいたりすると「そっちだったのか!」と人間心理の奥深さに足を掬われそうになることもあるのですが、

人間一人ひとりの多様性や個別性の素晴らしさ、力強さに何度も感動を味わわせてくれたり、何よりも「腑に落ちる」という感覚を、しみじみと感じさせてくれるものでもあります。


因みに、この作業は占星家一人では難しいので、クライアントさんとの協働作業が必要になります。

ホロスコープという地図と時期の羅針盤を、クライアントさんのこれまでの物語と照らし合わせながら、本来在りたい位置行きたい場所とのズレを確認して、微調整していく作業になるからです。

星座や天体から読み取れる情報を象徴や概念で終わらせず、目の前の生身のクライアントさんの上に具体的に言語化しながら、過去と今から振る舞いのパターンを掴んで、そこをベースに未来の成長プロセスや方向性を見立てていきます。

(レポート書面での鑑定をしていない理由も、ここにあります。)


心理占星術の面白さは、占星術の象徴を結果や傾向として読み解くだけではなく、幼少期の環境やトラウマ、愛着の課題、心理的投影、人格形成の在り方など、一人の人間が自分自身のウェルビーイング(在りたい自己そのもの・生き様)を獲得するまでに体験する、様々な心の動きや葛藤を予測すること。

そして、それらが実際の行動にどんな風に現れ変化していくのか、対処していくのかという成長プロセスの物語にフォーカスして、物語の中から一人の人間の個別性や独自性を、光として発掘するところにあると、個人的には思っています。

(そういう意味では、心理占星術、少なくともYasmine.Handworksが提供する心理占星術はは、ナラティブ・セラピー的な要素が強いのかもしれません。)


心理占星術は様々な占星家さんがツールとして使っていますので、以上はあくまでもYasmine.Handworks的、心理占星術視点です。



※ 心理占星術は関係性を読み解く際にも、とても有効で実用的なツールです。

参考記事:「家族のための心理占星術W.S.

Yasmine.Handworks

◆ Ludique 〜自分を知って、自分を遊ぶ ◆ Musisian / Psycho-Therapist Bistro TOKITAMA / Psychological-Astrologer なんのために生まれて なにをして生きるのか こたえられないなんて そんなのはいやだ 「アンパンマンのマーチ」