【記録】雛罌粟 備後ツアー ③ /2025.5.24 @尾道「旧トウヤマ邸」
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誰かと出逢って起こる化学反応や
人から人へつながっていくもの、こと、縁
自分の手を超えて広がっていく
予測できないおもしろさは格別で
出逢った人や物から与えてもらったインスピレーション、
アドレナリンの高揚感と勢いだけで
生きてきたのではないかと思える人生前半。
それでもここ数年は自分中心の時間に集中していたので、
ノルアドレナリンをちゃんと分泌できていたはずなんですが
この日の「旧トウヤマ邸」の夜は
久しぶりにアドレナリンがたくさん出ていた気がします。
はじめて出逢うたくさんの人
尾道というはじめての場所と出逢ったみなさんの刺激の中で
自分の価値観が変わっていくワクワク感がいまも残る。
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雛罌粟という、言葉だけでは
アイデンティティの捉えどころが難しいユニットを
オーガナイズしてくれたのは
アーユルヴェーダセラピストのかおりさんと
古道具店オーナーのうーちゃん。
お二人から広がった先でお越しくださったのは
本や言葉、俳句や文学を愛するお客さまたち。
事前にそれをお聞きしていたので
雛罌粟カラー満載でセットリストを準備していましたが、
枕草子や徒然草をはじめ好きな詩人たちについての想いを
思う存分シェアできる安心感と喜びは想像以上に大きくて、
この日は朗読をはじめ、普段はベンチ入りしがちな
いろんなアイディアを試しながら、
言葉が朗読から歌に変化したときの味わいとその面白さや
詩歌の先人達への想い(好き*)を
お届けできたような気がしています。
これはどんなLIVEでも個人的に思うことですが、
「Netflixのこのドラマめっちゃ面白いねん、観てみて!!」みたいに
自分が好きで堪らないものを自由に表現し
それを同じように好きで受け取ってもらえ共有できることの
有り難さと幸せを思いました。
お一人おひとり個性的なお客さまたち
かおりさんとうーちゃん
お二人につながるこれまでの沢山の出逢いに
感謝を込めて🌝
※ 尾道へはまた雛罌粟で、満月が綺麗な10月初旬頃
伺えることになりました。
詳細は追って掲載します。
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「旧トウヤマ邸」はコンクリートの空間で
オーナーご夫妻タケオさんとナオミさんはお二人とも音楽家。
▶︎ 「旧トウヤマ邸」紹介記事
お二人のセンスで創られた空間で
この日はボーカルだけ少し音響を入れましたが
ベースはアンプを入れずにセッティング。
リハを見てくれていたタケオさんの
「ベースは、生音でやってみたらどうですか?」
というひと言がなかったら忘れていたかもしれない
と、後から気づいたこと。
10数年前にまーちゃんの歌をはじめて聴いたとき
「この人と一緒にやりたい」と思ったときのぼんやりした気持ちと、
雛罌粟をうたとコントラバスというシンプルな編成で
やりたいと思ったときの自分の中の謎のこだわり。
アカペラからはじまる曲のとき、この夜もだけれど
音を出さずそこに居たいと思うことがあります。
音楽としてではなく言葉を
シンプルな単旋律の豊かさの中で味わいたい。
言葉の意味や歌の情景を損ねてしまうんだったら
私(ベース)は入らなくていい。
まーちゃんの身体を通って口から出てくる言葉の意味を
のびのび空気に混ざってくバイブレーションだけで聴いていたい。
もちろん世の中にはいろんな歌い手さんがいてそれぞれ大好きで
イメージするものが個性によって変わる自分の中の
フェチ性みたいなものかもしれないんですが、
ただ昌代さんの声を聞いた時感じた初動の感覚が
これだったのかなと今は思います。
演奏が終わったあとゆっくりと
この、ずっと言葉になってなかった感覚が頭を通って
じんわり言葉になっていました。
音の響きの豊かな空間で改めてまーちゃんの声を聴き
自分の楽器と向き合ってみて、
雛罌粟をやりたいと思った自分のはじまりのモチベーション
原風景みたいなものを、思い出させてもらった出来事。
これまでの自分を思い出しながら
新しく出逢う人たちに刺激をもらう
中継地みたいな日でした。
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◾️セットリスト
【1st】
『茶摘み』 作者不明 編曲/Yasmine.H
『雛罌粟』 詩/与謝野晶子 曲/米須昌代
『枕草子』 詩/清少納言 曲/米須昌代
『オノマトペ』 詩/谷川俊太郎 曲/Yasmine.H
『昨日のしみ』 詩/谷川俊太郎 曲/武満徹
『まなび』 詩/谷川俊太郎 曲/Yasmine.H
【2nd】
『月ぬ美しゃ』 八重山民謡
『寿限無』 作者不明 曲/米須昌代
『ニットキャップマン』 詩/糸井重里 曲/岡田徹 ◀︎ Yasmine.H (vo.cello) ソロ
『ハロー・グッドバイ』 詩&曲/米須昌代 ◀︎ 米須昌代 (vo.gt) ソロ
『みち』 詩/谷川俊太郎 曲/米須昌代
『わが喫煙』 詩/中原中也 曲/Yasmine.H
『春の臨終』 詩/谷川俊太郎 曲/Yasmine.H
【encore】
『さようなら』 詩/谷川俊太郎 曲/谷川賢作
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