【cinema&books】『ザリガニの鳴くところ』
この作品は、占星術的な視点からも面白かったので、シェア。
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『ザリガニの鳴くところ』
年間の5本に入りそう。
眼が腫れるくらい泣いた後に、おぉっ。
びっくり。
映像も美しくて、社会的なテーマがベースにあるけど
さり気なく挿入されていて、
いろんな要素が混ざってる感じの、混ざり具合のセンス、
みたいな映画。でしかた。
占星術の象徴で切り取るなら、
この物語は、冥王星・蠍座・8Hの成長プロセスを示す。
1人の人間が、普通であれば『負の遺産』
と見られるような環境、幼少期をベースにしながらも、
思い通りにならない状況や圧倒的な他者の力に抑圧されたら飲み込まれるような体験というその負の遺産こそを、
自分にしかない個別性、独自性として、光に代えた物語。
人がそれぞれ持つ、個別の成長プロセスやテーマ性。
そのプロセスを伴走して、
その人にしかない個の光を一緒に発掘することは、
私にとって大きな歓びであり、
負の遺産と思っていたものが光に変わるその瞬間、
人間の個の多様性や、唯一無二の物語の奥深さには、
いつも心を大きく揺さぶられますが、
この作品は、わたし自身が価値と思っていることを言語化してくれたものとして、たぶん心に響きました。
そしてもう一つ象徴の世界から見たとき、
気付いたことがひとつ。
主人公カイアが育った湿地帯自体が、
不動=動かない水なので、
蠍座そのものの象徴を表す。
作者はそんなことを意図したわけではないと思うので、
無意識で使った場面設定だと思うけれど、
砂漠に住んでいた少女では、
あの人格は形成されなかったのではないか。
湿度と豊かな有機物が堆積する動かない固定した世界の中に、
他者を引き寄せ、
清濁込みの密な関係性の中で様々なものを吸収しながら形成された、
カイアの人格。
豊潤で、時に腐りそうなほど有機的なその世界から、
カイアは決して離れず、
その世界の中で変容し成長して、一生を終える。
あの湿地帯自体がそもそも、
カイアの人格形成に必要だったのかもしれない。
と、いうようなことを思いました。
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この映画は、蠍座や冥王星8Hが強調されている
ネイタル・チャートを持つ人や、
ネイタルでは強調されていなくても、時期的に、
蠍座的8H冥王星の意思が通過している人たちに、
ぜひお勧めしたい。
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