『わたしあなたをずっと探してました。』いりこ工作舎と川端淑恵さん
なにか不思議な瞬間瞬間に出逢う人はいて、
私にとって、いりこ工作舎の川端淑恵さんもその一人。
今日は箕面の牧落駅近くにある『けんちくの種』さんで開催中の、彼女の個展へ。
・・・
五年前、大阪から車で2時間くらいかけて、兵庫県の山奥の廃校へ行った。
廃校カフェのライブのお手伝いが目的だったけれど、その日何よりも一番印象に残ったのは、
カフェの隅っこにそっと置かれた、木彫りのオブジェでした。
なにやら気になるその枠を覗くと、鏡に反射して、
緑色に塗られた葉っぱと、赤い小さなてんとう虫が映って見える。
『・・・・・・( ゚д゚)!!』
何これ〜〜〜〜!!!
そのオリジナリティと素敵なユーモアの衝撃で、鏡の中のてんとう虫くんは忘れられない記憶に。
カフェのオーナーさんに作家さんのお名前を聞くのを忘れて、どれだけ後悔したことか。
インターネットで検索してもわからない。
むしろどう検索していいのかわからない。
[虫 鏡 映る]?
いやいや。
[木彫り 兵庫県 山奥]?
いやいやいや。
女性?男性?どちらでもないひと?
若い人かしら?お年を召した方?
何してる人なんやろうー・・・
星の数ほどいる作家さんの中で、名前も知らないその人を探す作業は途方もなく、ずっとわからないままだった。
数年経って、ある日NPOの企画の仕事でお呼びしたのは、スティールパン奏者の山村誠一さんや山下ジュンさんたち。
その中のお一人とは初めまして。
Facebookで友人になってみると、
あれ? この方のタイムラインに流れているのは、ひと目見て以来忘れられない、あの木彫りのオブジェたちではないか?!
その時、あまりに興奮し過ぎて、
『わたし、あなたをずっと探してました!』
という感じのメッセージを送ったような気がして
今になって恥ずかしくなってきたけど。
川端淑江さんその人を見つけた時の感動は、すごかった。
その人の生み出す作品がその人を確かに語る、
ということの力強さを、深いところで実感した瞬間でした。
・・・・・
そんな数年を経て、ようこそわが家へいらっしゃい。
“ はんみょう “ とは、カミキリ虫によく似た虫の名前で、
人が近づくと一歩下がり、また近づくと一歩下がる習性があるのだそう。
『迷ったけど、やっぱりこの はんみょう にします。』
淑恵さんの個展は12/22(日)まで。
明日21日(土)の午後は、シマトネリコの木でスプーンを作るワークショップも開催されます。
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