【映画と本】母系を辿る
原題『Zeytin Agaci(オリーブの木)』
(英題: 『Another Self』)
制作:トルコNetflix
原作&制作:ヌラン・エヴレン・シット
1シーズン8エピソード
先月、母方祖母が亡くなった時の遺品の中にあった
モノクロームの家族写真を譲り受けた。
母がまだ小さい子どもだが、
幼児らしからぬキリリとした眉で
一番前の真ん中に、ちょこんと立っている。
そして、昨日この作品を観て、
母方の先祖の話を今のうちに
改めてきちんと聴いておきたいと思った。
もちろん父方も。
「身体はトラウマを記憶する」ということが分かり始め、
心理療法でもソマティック・エクスペリエンスという言葉が知られているけれど、
身体に刻み込まれるのは果たして今世のものだけなのか。
ブライアン・L・ワイス博士が確立した前世療法では、
時に過去生や未来世にもそのトラウマの原因を探す。
以前一度ヒプノセラピーを受けた時には、
前後の出来事とシンクロして、ある国に飛んだ。
誘導してくださったのがサイキックな方だったので、私が見ている映像を同時に見ながら誘導をしてくださるという形。
過去生に飛ぶのは滅多にないと言われてもいる中、
その時飛んだその国に、
過去生の1つで本当に生きていたのかどうかは、
もちろん誰にも立証はできない。
自分自身も、その時は最後まで疑いながらぐるぐるしてた。
ただ、そんな風に率直にお伝えした疑問に対して、
こんな風に答えてくださったことが、腑に落ちて今もある。
「私たちの脳が吸収してきた限りない記憶やイメージの中から、
その時その瞬間、なぜその映像とイメージが選ばれて出てきたのか。
本当かどうかではなく、脳がその時それを選んだということ自体に意味があるんです。」
・・
この作品は、
そんな前世療法やトラウマケア、
また、カモワンタロットを復活させたカルト映画の鬼才、
アレハンドロ・ホドロフスキー監督が実践する
「サイコマジック」というサイコセラピーなどを、
すごく分かりやすく体現している感じがして、
とても面白かった。
所謂スピリチュアルに傾きすぎず、
現実とのバランスがとても中庸に取られていたり、
導き手自身も一人の人間として、
トラウマを背負い向き合っている様子も描かれている。
ちょっと『Sex & The City』ぽいところもあったりして、
ファッションやトルコのインテリアも目に楽しい。
同じトルコNetflix制作の『アティエ』も、
カッパドキアの伝承を元にした、
母系遺伝や女性性、大地母神的なものやシリウスをテーマに描いた作品で、
トルコのNetflixが最近面白い。
観た後いろいろ調べたくなって調べていたら、
遺伝子研究では、母方からのみしか受け継がれない
ミトコンドリアDNAというものがあるらしいことがわかった。
興味深い。
トルコに行きたい。
そして原作者にお会して頭の中を知りたい。
「群馬大の佐藤健教授(細胞構造分野)らは19日、細胞の中でエネルギーをつくる小器官「ミトコンドリア」の遺伝の仕組みについての研究結果を発表した。母親のミトコンドリアの遺伝子のみが子に伝わる母性遺伝をするのは、受精卵の中で特定の酵素とタンパク質が自食作用(オートファジー)を促し、父性ミトコンドリアが分解されるためだと解明。研究成果は同日、英科学誌「ネイチャー・セル・バイオロジー」(電子版)に掲載された。
母性ミトコンドリア遺伝の仕組み解明 群大・佐藤健教授ら。
産經新聞記事より引用 2017/12/20 07:08」
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